農業現場便り(ブログ)

石灰(カルシウム)の施用について

こんにちは!

川口肥料オフィシャルサイトの松下です。

Twitterでは”かんとく”として時々呟いています。

本日は石灰(カルシウム)について語りたいと思います!

ウチは肥料会社なので当然石灰資材をいくつも取り扱っています。
店の倉庫には、消石灰、苦土石灰、貝化石、蛎殻石灰、硫酸カルシウム等
石灰だけでもいくつもの種類があります。

色々種類があっても結局のところは効くか効かないか、効果あるかないかだと思うんです!

じゃあ、どれを選べば良いの?ってなるわけですよね。

前にも書きましたが、石灰(カルシウム)って非常に養分移動が遅いのです(´;ω;`)
生長点までにたどり着くまでに時間が掛かります。

どんな養分もそうですが、根は水に溶けたものを吸収します。
特に石灰については溶解しにくいものが多いので、時間を要したり、効果が見えなかったりするんだと思います!

失敗しない石灰の選び方としてのポイントが私の中で2つあります。
⓵土壌改良剤としてPH調整に使うための石灰
⓶植物の栄養(カルシウム)として使いたい

⓵については酸性土壌を石灰で矯正するために使う石灰ですね!
消石灰、苦土石灰等が該当します。これらは基本的に溶け難いですし、土壌改良にはなりますが、植物の栄養には
なりにくいと考えます。
それに、今まで散々石灰資材を投入してきているので土壌のPHもそんなに低いことはありません!
さらにPHを上げることになり、作物や植物が好む領域を逸脱してしまっている畑や土を沢山知っています!
せめてPHくらいは測定して石灰の量を決めてほしいものです。

⓶については溶解度の問題です。
この中で、最も水に溶けやすいものはどれでしょう?

答え 硫酸カルシウムです。
硫酸カルシウムは水1リットルに約2.5g溶解します。たいして他の石灰資材は同じく水1リットルに0.0015gしか溶けません。

水に溶けやすければ植物は吸収しやすくなるので、施用するなら硫酸カルシウムになります。
他にも、蛎殻石灰は焼成されているかがポイント!
焼成されると水溶性になるものが多くなりますので、購入される際にはここをチェックです!
同じような意味合いで使われるのが、貝化石です。
これは少し溶けにくいので遅効性、腐植も多く含むのでミネラル補給も兼ね備えてますね!

私が肥料設計の際に使用する石灰についてはマグネシウムやカリとのバランスを整えるためで、
基本土壌からの吸収はあまり考慮していません。原則葉面散布での対応を推奨しています!

忘れてはいけないことがあります!
石灰は成分の移動が遅いことです。水に溶けやすいからと言って移動が早くなるわけではありません!
石灰は遅効性で土壌からの供給だと遅れる場合がありますので、定期的にカルシウムの葉面散布をしていただけたら
石灰欠乏症状は出にくいと思います!

次回はカルシウムやミネラルの葉面散布で病気対策について語ろうかな(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました!

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