今年は、ますます栽培環境が厳しくなってしまいました。生産力に直結する土づくりは、今からでも遅くありません。手間がかかっても丁寧な土作りは、期待を裏切らないのではないでしょうか?
作物の吸収力を維持するには、加里が必要です。
この夏は、すでに渇水被害が報じられており、水量確保が厳しいケースが増えてきました。 手塩にかけた作物を守る対策としては・・・
天水(てんすい)圃場で大幅に水不足となる場合の対策は、かなり難しいですが、①~⑥を駆使して何とか収穫まで漕ぎつけたいものです。
暑さへの対策として、作物が水とともに土壌養分を吸収しやすくしてやることが大切です。
ここでポイントになる栄養素は「加里」です。
加里は人体で言えば『塩』に当たります。酷暑で人が水分と塩分を摂取するように、作物にも水と加里が必要です。(浸透圧を維持して水分吸収/維持を促進)。
加里は、主に肥料から補給されていますが、酷暑の環境では通常より少し多め(+5~10%程度)に施用しておくと良いでしょう。
土壌診断によって不足と思われる場合は、交換性加里の値が20mg/100g以上を目標に補給すると良いでしょう。
注意:作物や産地ごとに目標値が変わるので、上記量は目安です。10mg/100g以下では各作物減収や障害発生が心配です。
お勧め資材 シリポエース
食物は乾燥や暑さなど環境ストレスを感じると植物自身が酢酸を合成し、耐性遺伝子活性化物質ジャスモン酸(植物ホルモン様物質)が活性化されます。
そこで植物に環境ストレスがかかる前に酢酸を植物に与える事でもこのジャスモン酸が活性化することがわかってきました。(理化学研究所)
この酷暑の環境下ではカルシウムの消耗量も激しくなりますので、酢酸とカルシウムを同時に供給できる”ティセルカル”や”キドカル”の定期散布(5~7日に1回)を勧めています。
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