農業現場便り(ブログ)

ホウ素について

台風10号で被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

被災地の一日も早い復興と皆様のご健康を心よりお祈りいたします。

9月に入り、夜には虫の声が聞こえ始めました。

これから作付けが始まる作物としては、アブラナ科(白菜、大根など)、ユリ科野菜(玉ねぎ、にんにく等)などがあります。それらの作物に欠かせない微量要素の一つにホウ素があります。今回はそのホウ素のお話です。

ホウ素についておさらいしましょう。
ホウ素は作物に必要不可欠な必須栄養素です。
カルシウムと同様に作物を強く育て品質を高めます。廃棄品率の軽減、秀品率の向上を通じて生産者様の収益にも貢献することから、主産地では特に注目されているようです。
ホウ素が不足すると成長点(新葉、果実表皮、根の肥大部)に障害が発生します。
特にアブラナ科野菜では必要量が多く、欠乏症が出やすいので要注意です。
欠乏時はホウ砂(※1)や、ホウ素入り肥料または微量要素資材(弊社の土づくり資材)(※2)を与える対策が有効です。
(※1 : 10a当たり 一般野菜で1kg、果菜類で2~4kg)
(※2 : バイシリカニューエースG&G
なお、欠乏時の緊急的な対策としては、ホウ砂0.3%水溶液を数回葉面散布すると良いでしょう。(濃すぎると過剰害リスクあり)

注意: ホウ素は過剰害も出やすいため、その施用量には注意が必要です。
土壌分析結果がある場合は、土壌中の有効態ホウ素濃度を好適範囲とされる0.8~2ppmに近づけるよう加減しましょう。
一般的には作物や土壌特性を考慮した、各地方の推奨施用例があればそれに従うのが良いと思います。

ホウ素が効きにくい条件とその対策

効きにくい条件と対策例
・高温乾燥(成長期の水不足)
対策:適正な潅水の実施、根張りの良い土作り。総合的な改善が必要です。ご相談ください。

・高い土壌pH(アルカリ土壌)      ・
対策:適正なpH管理 鶏糞、石灰窒素、石灰資材の使いすぎ注意。 石灰(カルシウム)とは拮抗作用があります。

・欠乏圃場(連作地、砂質土壌)
対策:「適量を継続する施肥」の実施。流亡しやすいのに、過剰害も心配なため。

ホウ素欠乏症は連作地を除けば、効きやすい条件に導くことで抑えられます。
お困りの際には一度ご相談ください。

今月も最後までお読みくださりありがとうございました。

今月の川口肥料ニュース24.8月号はこちら

 

関連記事

ページ上部へ戻る