EC(土壌塩類※濃度)の話
※塩類:硝酸態窒素、各塩化物、各硫化物等
土づくりや施肥量を考える時に、土に肥料分がどれだけ残っているのかを知る必要があります。
土壌中の塩類濃度を示す指標は「EC」と呼ばれ、ECが適正値(作物、土質により変わりますが0.4~1.0mS/cm)を超えると発芽障害、生育悪化を引き起こし、収量は減少します。
ECが高すぎる土=無駄に肥料が残っている土は、根が塩漬け状態になり、水・必要な栄養分が吸えなくなります。生育が悪いからと言って肥料をさらにやると、益々生育が悪くなるという場合はECが高いかもしれません。
ECを高めないために、施肥量・施肥資材に注意しましょう
土除塩類の集積を加速させる原因は堆肥・肥料の多投です。
①ECを測定し、適正な状態かを知る(勘での判断はやめましょう)
②地域の基準施肥量を参考に、肥料・堆肥はやりすぎない
特に、塩化物や硝酸塩(窒素全般)を主成分とした肥料のやりすぎには要注意です。
肥料の不足で育ちが悪くなることを危惧する生産者様は、以下の表を参考に肥料量を調整してみてください。
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高温傾向時の安定生育を目指すには
今年の春先は高温傾向との予想です。作物が水分を多く欲しがり、土からの蒸散も増え塩類集積しやすいと考えられます。(ECが高まりやすく、障害へ繋がる)
そんな予想の時は、高成分で溶出がドバっと出る肥料や、地温によって栄養分放出が左右される堆肥類を使用している場合は特に注意が必要です。
・多少高価でも、溶出コントロールの効く肥料を適量使う
・堆肥の施肥量を控えめにして、追肥で調整できるようにする
・水管理はこまめに丁寧に行う(乾かしすぎず、多湿すぎずの管理の徹底)等の工夫をお薦めします。
弊社商品の使用で作物の吸収力を高めることも有効な一手です。
土づくり&適正施肥で作物本来の能力を引き出し、豊作を目指しましょう。
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