農業現場便り(ブログ)

サツマイモ基腐り病について

お疲れ様です!

久しぶりにソフトボールの試合に参加してきました(笑)
もともと内野手で、本職サードなんで強くて速い打球には慣れていたつもりが、
久々の実戦で、打球に反応が遅れグローブで弾いてしまいました。衰えを感じていますが反応出来ただけ良し!
でも、まだまだ精進が必要です(笑)

朝の情報番組でサツマイモ基腐れ病について放送されていました。
この病気については昨年から宮崎の取引先から相談を受けていましたが、全国的に拡がってきているあたり
深刻な状況と見ている方は多いと思います。
土壌消毒しても発症し、圃場が全滅、収穫量ゼロの農家さんも多く存在しているようです。
焼酎の原料芋もこれにより不足している状態です。
農研機構でも情報や対策をホームページで発信しています。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/138589.html

静岡県内でも発生していると情報は入ってます。九州ほどの被害は出ていないようですが、
以前から疑わしい症状のものはどうもあったようです。

原因菌については農研機構のページを参照してくれれば良いのですが、
いわゆるカビ(糸状菌)を原因としていますね。

薬剤での対応を推奨している方も見受けますが、これではいたちごっこが始まってしまいます。
私的には、根本的なサツマイモの栽培方法に問題が出てきているのではないかなと感じています。

この病原菌は急に発生したものではなく、常に存在していたものと捉えたほうが良いのかもしれません。
現在の大産地での栽培方法では、堆肥や肥料を撒き、畝立てと同時にピクリン消毒(土壌消毒)し、マルチがけまで
出来てしまいます。

ここで問題になるのが、堆肥と土壌消毒です。
堆肥が未熟なものを施用すれば当然病原菌は増殖してしまいます。同時に土壌消毒をすれば問題ないと考え、この方法を
採用しているのかわかりませんが、たしかに土壌消毒で菌の密度は低くなるかと思うんですが、未熟な堆肥の分解までは
できません。土壌消毒のガスは基本上部に貯まります。地下部にはほとんど移行しませんので、地下部に逃げた病原菌たちは
ガスが抜けた後上部に移動してきます。この時にマルチに閉じ込められた堆肥の未熟部分に戻ってきた病原菌たちが徐々に増殖するのではないかと考えています(あくまでも個人的意見です)。

土壌消毒をすることにより、肥料を分解する微生物達も激減しているので無機化されている肥料を施用している方がほとんど
で、有機入り肥料といえどほとんど有機の効果は期待できないものとなってます。

この病気の特徴として、生育の初期、中期は問題なくても収穫時に発病するところです。ここについては微生物が介在しない
圃場での生育で、本来持つべき免疫力や耐性が着かないことによるものだと考えています。
こんな状況下で薬剤散布して病徴を抑えても作物自身の本来の精力が無いので生育に支障をきたします。

その状況で出来た芋を種芋とすれば当然罹病もしやすくなり、採苗したツルもしかりですよね。
採苗したツルを消毒したところで植え付ける圃場が前述したような土壌であれば歯止めはききません(´;ω;`)

弊社が宮崎の取引先に対し、アドバイスしたのは、
1 堆肥の投入は控え、代替品の検討(施肥設計の見直しを含む)。
2 サツマイモの収穫作物残渣を出来るだけ圃場外へ。
3 種芋の更新の頻度を高くする、ウイルスフリーの苗(親株)の検討
4 土壌消毒に頼らない栽培方法の確立 ※ここがネック

ちなみに、弊社のサツマイモの肥料設計では堆肥は不要としています。
肥料代を抑えようと堆肥(安い堆肥)を連用されている方ほど、病気の発生率、害虫の被害、貯蔵性の悪さが
顕著に出ています。

弊社の近隣は砂地が多く、古くから堆肥を投入しないと作物が出来んと言われてきました。しかし、現状は逆で、
堆肥の質が低下している現在ではこれは通用しなくなってきています。
まずは、堆肥の作り方や選び方、成分表示の見方を伝え、本当にその堆肥が必要か否かを農家自身に判断できるように
指導してきました。その結果、堆肥投入を控えるようになり、ここ何年かでその考えが浸透してきたように感じます!

弊社(私)の担当しているサツマイモ農家で土壌消毒をしている農家さんは一人もいません。
コガネムシやドウガネブイブイの害虫対策で薬剤を使用してる人はいますが、殺センチュウ剤も使用せず、
栽培されている人がほとんどです。当然貯蔵性や味も良く、砂地特有の肌がきれいなサツマイモが出来ます。
中には、サツマイモの収穫体験を実施されている農家さんもいますので、薬剤の使用も減らし、病気が発生しない圃場作りに
力を注いでいます。

宮崎に提案した1の項目の堆肥の代替品ですが、弊社のヘルスを推奨しています。
これは弊社の施肥設計の中に堆肥の代わりとしての施用を目的としています。

ヘルス(菌体肥料)

カビ(糸状菌)が原因の病気発生圃場については放線菌の存在が少ないことが要因の一つにあります。
未熟な堆肥は当然のように醗酵熱が上がっておらず、糸状菌優勢状態であり、放線菌の数が増えていない状態です。
この堆肥を圃場に撒けば糸状菌(カビ)を施用したと同じになります。
これでは病気は一向に減りません(´;ω;`)

ヘルスは放線菌の発酵槽で醗酵されています。有機質も含んでいる普通肥料なので、肥料としての役割も併せ持ちます。
堆肥、改良剤、肥料の3面を持つヘルスには十分な放線菌の数が含まれています。

糸状菌優勢な病気発生圃場には放線菌菌体肥料ヘルスで正常な土壌微生物バランス(放線菌優先状態)を創り出すことが
出来ます。
基腐れ病の病原菌はゼロにできないと思います。土壌中の微生物バランス、堆肥の選択、肥料の選択、栽培方法の見直し
を含め対策していけば良いと思います。

農研機構のサツマイモ基腐れ病について、使用する堆肥(きゅう肥)のことには言及していませんね。
畜産業の盛んな九州鹿児島、宮崎においてはそこからでる堆肥に問題があるとすると一大事、処分に困るって話です!
ここもまた大きな力が働いてるのかもしれませんね(´;ω;`)←ここは独り言です!

普通、圃場に投入する最大量のものを疑うの自然の流れかと思うのですが。

かなりの長文になってしまいましたが、サツマイモ基腐り病に関する私の考えをお伝えしました。
あくまでも個人的な意見なので(笑)

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