農業現場便り(ブログ)
7.62021
熱海での災害は人災?
4日の熱海での土砂災害、被災された方にお見舞い申し上げます。
土石流が流れ込んで家屋をなぎ倒していく映像を見たとき、衝撃的で言葉を失いました。
安否がまだ確認されていない方が多くいるようですので無事に家族のもとに帰れるよう祈るばかりです。
今回、土砂災害の一因として盛土という言葉が使われています。この盛土はよその土(今回は太陽光発電開発で開拓した時のでた残土)を別の土地に移すことです。いわゆる今ある土に別な土を盛ることです。
農業でも似たような言葉があり、客土といいます。意味はほとんど同じで、どこかで山を崩したり、開拓した際出てきた土を畑に
移すことを言います。
この客土や盛土で違和感(この場合不安)に思うのが、この客土(盛土)した土が元にあった土と親和するのかなということです。
土の上に質の違う土を上乗せしただけなので、今回の熱海の災害では上乗せした土がごっそり滑り落ちたんではないかと
勝手に自分自身で解釈しています。土は長い年月をかけて植物と共生して土が親和していき、植物が根を張り、地盤を強化していくものだと考えます。植物の落ち葉が微生物を活性化し土を肥やしていく、これを繰り返すことで土が生き続けるんだと思うんです。今回の災害の原因はいずれはっきりする(誰かが隠蔽するかもしれませんが)と思いますが、人災であることは否定できないと思っています(あくまでも個人的意見)。
話を客土に戻しますが、畑でもこの客土をした後、結構な確率で生育不良が起きています。やはり土同志でも相性が悪かったり、砂地に粘土質のものを客土しても親和しにくいのは当然だと思います。
客土される土も、どんな所にあった土かも教えられないまま畑にあけられる人もいますし、残土を処分したい業者にとっては
こんなチャンスありませんよね。その客土された土で良いもが取れなくなってもその業者にとっては関係ないことになってますから。結局最終的に泣き寝入りするのが農家さんなんですよね!
新しい土をいれて、土を再生することは良いことですが、リスクを考慮して対策をとることも並行してやってほしいと思っています。私たちに相談くるのは決まって生育不良が起きてからです(泣)。それぞれ条件、環境が違うので当然手法も変わってきますが、植物の生長にもっとも影響のある土台(土)ですからここを置き去りには出来ませんよね。
有機質や微生物、リバイバル+を使って土壌を再生させるベース(基礎)を作っていくことを勧めています。
最後に、熱海での災害で安否が確認されていない方たちの無事を祈っています。